【利休七則】~相客に心せよ~

これまで6つの利休七則をお伝えしてきて、これが最後になります。

最後の1つ。これはこれまでの6つと異なり、初めてお客様についても言及しています。これまでの6つは主に自分のこと、亭主としての心構えが書かれていました。全ての行いはいらっしゃるお客様をもてなすため、気持ちよく1日を過ごしてもらうために亭主はどのように振舞うべきなのか、どのような心の持ちようでいるべきなのか、その点について書かれていました。しかし書かれていなくてもお客様への配慮がその全ての根底にありました。

この流れで読むと、お客様に心してもてなすように書かれていると思われがちですが、そうではありません。これは客同士について、また主客について最後に言及しているのです。

日本では「お客様は神様です」といった風潮が強いですが、茶道ではそれはあり得ません。実際にこの「お客様は神様」といった三波春夫さんも今使われているような意味では言っておりません。三波さんは「ステージで歌う時はお客様を神様と思って神聖な気持ちで歌う」という自分の心構えとして語っています。それが独り歩きしてクレーマーの都合の良い言葉として使われてしまっているのは残念です。

もちろん、お客様は大切な人です。お客様をもてなすために心を込めて準備をしていることに間違いはありません。
ただ、ではお客様は神様なのかと言えばそうではないのです。

茶会のその場では、亭主もお客様も茶会を楽しむ者としてお互いにお互いを思いやりながら振る舞うことが大切になってきます。客と亭主の関係だけでなく、客同士もお互いに思いやりの心で接することが重要になってくるのです。

「一期一会」という言葉も有名ですね。
この意味も一生に一度しかない機会と思われていますが、それだけではないのです。その一生に一度しかないこの巡り合わせの機会だからこそ、お互いがお互いを想い合って、この茶会を最高の茶会にしようという意味なのです。

その場にいる全ての人が受け身ではなく主体で動く。だからこそ相手のことも気遣えるようになるのです。

相手のことを常に想う。それは客であっても同じことなのです。

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